・女子マラソン 北京五輪の代表は誰に? ⑨ 高橋尚子夢実現せず 中村友梨香初優勝
北京五輪の最後の切符をめぐって多くの有力選手が参加した名古屋国際女子マラソンは、予想以上のスローペースで展開、初マラソンの中村友梨香が制し、代表を有力にした。
高橋尚子は9キロで遅れはじめ惨敗した。
1.レース展開
名古屋の3つの敵。①風、②高温、③花粉
最大の敵である風はなかったが、予想を上回るスローペース。20km直前からペースが上がったものの、中間点では1時間14分43秒。まさに勝負のマラソンとなった。
25km、原裕美子が出るがペースが上がっただけでリードは奪えない。
28km、今度は坂本直子がスパート。怪我で苦しんだ坂本のリードに鳥肌が立つ。が、このスパートも先頭集団の絞り込みにしかならない。
31km、次は堀江知佳が先頭へ。原、坂本も遅れ始める。
32km、最後は堀江のスパートになんとかついていった中村友梨香が先頭へ。ついにリードを奪いそのままゴールへ。後半の追い上げもあり2時間25分51秒となんとか26分を切り、北京への切符をほぼ手にした。
2位も初マラソンの尾崎好美。原4位、弘山9位、坂本10位だった。
2.中村友梨香
天満屋所属21歳。シドニーの山口衛里、アテネの坂本直子に続き3大会連続で天満屋から代表が選出されることになりそうだ。兵庫県立西宮高校出身で坂本の高校の後輩でもある。初マラソンである選考会で優勝して五輪が2回目のマラソンというのは、過去バルセロナの小鴨由水(五輪29位)、アトランタの真木和(12位)の二人。五輪で振るわなかっただけではなく、その後も活躍していない。
中村は若手育成枠で出る、位の気楽な気持ちで北京を走ってほしい。プレッシャーをかけ逸材を潰してはいけない。
3.高橋尚子
おそらく最後のマラソンになったであろう。過去最悪の2時間44分18秒の27位で終わった。大声援のなか、最後のレースなので棄権するわけにいかずなんとか走りきったといったところ。
偉大な実績と絶大な人気選手の最後として寂しい結果であったが、ここまで惨敗すると応援する方も諦めがつくと言ったところだ。
監督室にいた小出義雄の解説によると、「マラソンは簡単なようで、むつかしい。12日前の40km走を見たときは絶好調だった」とのこと。これを受け解説の有森裕子は「ここ数回、順調に仕上げてきても最後に失敗している」と語っている。はやり一人で練習するのは無謀だったのであろう。
レース後、昨年8月に半月板の手術をしたことを明かした。もともと無理だったようだが、スポンサーの関係で走らざるを得なかったのだろうか。引退は明言しなかったものの、第一線で走るのは無理だろう・
中継アナウンサーが、高橋の言葉として「チームQを立ち上げた時、オリンピックは意識していなかった。皆さんの声援で目指そうと気が変わった」としゃべると、思わず有森が「ウー。」と言って押し黙った。有森もずるくなったというか大人になったものだ。
4.代表選考レース
マラソンの代表を1発勝負で決めているのはアメリカぐらいで、各国海外レースを含めた複数のレース結果をみて総合的に判断しているようだ。
日本の選考レースは世界陸上と3つの国際マラソン。それはそれでいいと思うが、今回のようにも野口・渋井・福士以外の有力選手が一同に集まると、試合前もわくわくするし、レースも息が詰まる展開であった。日本人どおしの直接対決が五輪で初めてというのもいただけない気もする。むつかしいところだ。
5.有森裕子
高橋尚子とともに小出門下生で、高橋と同じように最後に小出と袂を分けた有森裕子。冷静で専門的な解説が光った。情感的な解説が多い元女子マラソン選手の中ではピカイチであろう。
小出と距離を置いた原因が高橋尚子だったし、かつてはそのことを直接批判したこともあっただけに、高橋の失速には微妙な心境だったと思う。
6.総括
「女子マラソン 北京五輪の代表は誰に? ①」(2007.8.30)で
【①野口 ②原or高橋or土佐 ③新谷 がベストか。シドニー、アテネに比べると一回り小粒。②枠の健闘次第。】と日本選手の力を分析したが、①野口、②土佐、③の若手枠に新谷にかわり中村が入ったことになり、現状の日本選手としてはまずまずの選手構成になったと思う。暑い北京。消耗レースになると土佐の目があるかもしれない。大阪・名古屋と全体的に消極的なレースだったのが残念だ。
<関連記事>
2007年8月30日 「女子マラソン 北京五輪の代表は誰に? ①」
http://yamaken38.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_22d1.html
<関連記事>
2008年2月28日 女子マラソン 北京五輪の代表は誰に? ⑦ 名古屋国際エントリー発表 原裕美子をどのように評価するか」
http://yamaken38.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_7b6f.html
<関連記事>
2008年2月29日 「女子マラソン 北京五輪の代表は誰に? ⑧ 高橋尚子最後の挑戦」
http://yamaken38.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_7a83.html
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