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2008年11月 5日 (水)

・「ありったけの話」中山智幸

23歳の大学生のユキヒロは高校生の時の恋人でスイスにて深刻な皮膚の病気の治療をしている静佳に会いに行くためアルバイトでお金をためている。

しかしながら、メインテーマの静佳との関係はバックグランドミュジックのような扱い。姉の子供で9歳の甥っ子葎との生活。友人エザミとその恋人鴇田。この小説のメインとなる話の展開はそれなりに面白い。親しくなった鴇田と葎。葎を通じてユキヒロと鴇田の関係もとてもいいものに。二人は出来てしまうのではないかと思わせる。

静佳とのわかりにくい関係が本当はメインだよ、と言われるとなんとなく腑に落ちない。一体何の話だったのだろうか。こういう小説は難解だ。やはりしっかりした物語の展開のある読物の方が落ち着く。

<内容>光文社HPより

いっそ命に関わる病気だったらよかったのに――

6年前に別れた恋人・静佳にはある事情があった。

彼女を一度は受け入れると決めたのに、突き放す形になってしまった過去。ユキヒロはその謝罪をしたいと思っているが、なかなか一歩を踏み出せないでいる。そんなユキヒロのところに、父親を雪山の事故で亡くした甥っ子の葎が預けられることに。葎との生活のなかで、少しずつ前へ進み始めたユキヒロは、静佳に手紙を書こうとするが――

2008年『空で歌う』が芥川賞候補となった期待の新鋭、初の書き下ろし長編。

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