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2008年3月 3日 (月)

・「カツラ美容室別室」山崎ナオコーラ

平成19年下期芥川賞候補作品。作者の「人のセックスを笑うな」も平成16年下期芥川賞の候補作品。題名も個性的だが、「ナオコーラ」という名前も奇妙だ。コーラ好きらしい。

27才のサラリーマン、淳之介。どういうわけかその友人で小卒の就職経験のない32才の梅田さん。淳之介は梅田さんが常連の「カツラ美容室別室」の花見に誘われるところから物語が始まる。美容室は47才の桂さんと27才のエリと24才の桜井さんで切り盛りしている。本店は九州でお母さんが経営している。

話は次の花見までの1年間のまったりした展開。淳之介とエリはデートまでは行くがそれ以上は発展しない。青山七恵の「ひとり日和」のような淡々とした日常が描かれている。が、退屈はしない。

淳之介とエリ。案外今の若者、とりわけ、なかなか女性と付き合うことができない若い男の心情をよく描いているのではないだろうか。作者は女性なのだが。

エリからのメールは、相手からの返事よりも間隔をあけて出す。お互いそうしているうちに間隔がどんどんあいていく。「お互い大人なのだから、テンションの上がらないままにつき合いをスタートさせてもいいのではないか、と考えながら眠った。」

もう少しでそういう関係になれそうなのにブレーキをかけてしまう。「一ヶ月以上合わないでいると、エリへの気持ちが発酵していく。恋愛感情、ではない。知り合いへの。深い情に。」

そのうち、「疲れる女といるよりも、アパートで牛乳を温める方がいい。」となってしまう。

<あらすじ> Amazon.cojp より転記

こんな感じは、恋の始まりに似ている。しかし、きっと、実際は違う。 カツラをかぶる店長・桂孝蔵の美容院で出会った、淳之介とエリ、梅田さんたちの交流のゆくえは? 大人の事情、大人の友情に迫る。各紙絶賛、話題の最新作!

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